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天使の舞い降りる場所

2005 / ガラス、水晶、大理石、ステンレス、鉄 / 7×7×2(m)

天使の舞い降りる場所

 中国陰陽思想の木火土金水の五つの要素により万物が成るという"五行"は、日本でも普段の生活の中に溶け込んでおり、知らぬ間に私も考え方の根底の部分で影響を受けてきました。五行思想を自分なりに組み込み、5つの装置と中心のサークルを用いて場を整えるイメージの作品を制作しました。

 頂点は水晶、下方はガラス製のピラミッド。それを支える5本の柱は大理石。これは五行を象徴しています。
 水晶とガラスの組成は、2つの成分が同じ二酸化珪素であることに着目しました。底面50cm×50cm の水晶とガラスのピラミッドは、水晶が取り込むエネルギーを増幅させる想像上の装置です。(2)

 サークルの下には紫とブルーのまんだら模様のある半球型のガラスを設置。周りをユーカリで囲いました。自身を包むオーラを球体で感じとろうとする場合、地上の半円のイメージは得やすいですが、地下の半円はイメージしにくいため、それを補う目的です。(1-2)
①宇宙のエネルギーと太陽の光は、水晶を通って柱の内部の反射板に当たり、一部は銅線で地下に導かれ、他は左右の窓から外に出ることになります。(3)
②柱の内側の窓から出る光は、中心にある五角形のサークルへたどり着きます。
③サークルに座った鑑賞者の丹田には、5つの柱から発せられる五行の光が集まります。

 五行思想の基本となる木火土金水の活動を活発化させ、膨大に降り注ぐ宇宙のエネルギーの一部を地球のコアに人間の力で届かせる物理的な装置をつくれば、人間が荒廃させている地球の表層を、人間の力で少しでも修復できる可能性もあり得る、というひとつのアプローチを作りました。

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